2023年12月22日に公開された映画
「PERFECT DAYS」を
少し前に観ました。
公共トイレ清掃員である平山の日常を描いたこの作品。
監督はヴィム・ヴェンダース。主役は役所広司さんです。
いつものように早朝から始まる、ルーティンが決まった生活。
部屋には文庫本がズラリと並んでいるけど、
余分なものがなく、
布団を畳むことさえもいつも決まったやり方で
美しいと感じるほど整然としている。
楽しみは
就寝時の読書と、
昼休憩の時に撮る陽だまりの写真、
仕事終わりのお馴染みの店での食事…
家出をした姪っ子を迎えた時に
平山が寝室にした部屋は、
いつもの部屋とは正反対で、
思わず笑ってしまいました。
たぶん以前は違う暮らしをしていて、
今の生活を、平山は敢えて選んだようです。
会話が終始少ない映画なのも、新鮮でした。
この映画を観ていない友人に、映画の話をした時に
「その映画って、『足るを知る』って内容でしょ。」と
返されたんだけど、
そんな一言では言い表せない
味わいや、ルーティンの中のグラデーション
ノスタルジーな雰囲気の映像と音楽。
なぜか羨ましくなる豊かさがありました。
観終わって2ヶ月という時間が経っても、
じわじわと余韻に浸っています。
わたしの貧弱な語彙力では、
うまく伝えられないことがもどかしいですが、
この映画は映画館で体感するのがオススメです。
